「長い距離を楽に速く」泳ぐためには、目的方向にカラダの各部位の運動方向を集約することが必要になってきます。カラダを前方に重心移動させるためには、カラダの各部位それぞれの重心移動もその方向に合致させることです。
クロールを例に見てみます[図1]。右手のフィニッシュ時が最もスピードが上がる瞬間です。その左手の入水に併せてカラダはやや沈みこむようにして加速します。左右の腕のタイミングを併せることの大切さは比較的知られていますが、その時の運動の方向(角度ではありません)も一致させましょう。

左手の入水と右手のフィニッシュ。タイミングがあっているとします。
左手はa点からb点に向けて水面に対して矢印の運動方向で突き刺すように入水します。右手はc点からd点に向けて矢印の運動方向でフィニッシュします。それぞれがb点、d点に達したときには、左手先から右手先までは胴体を通って一直線になります。左右の腕の運動方向のは一致します。
クロールや背泳ぎも、平泳ぎやバタフライとは違った意味で波動的な動きをします。泳ぎが様々な関節の多関節運動ですから、当然です。左右の運動の方向を一致させることができました。その方向が、カラダの目的方向(水平方向)に近付いていれば効率的な腕の運動方向です。