当たり前のことですが、顔を上げたときに吸い、水中で吐きます。
他のスポーツにおける呼吸を考えるとヨガや太極拳、フェンシングなどは、理論的に“正しい”呼吸方法が強調されています。
ツアープロそれ以上にゴルフ学校の経営やレッスンプロ、人気漫画の原作者として有名な坂田信弘プロは、“気”という表現で呼吸方法がスイングに及ぼす影響の大きさについて力説しています。坂田プロは、ジャンボ尾崎や丸山のようなトッププロとは言い難いのですが、そのゴルフ理論には定評があります。ボクシングでも呼吸とパンチとの相関は関係者によって説明されています。
顔を水中に入れて行う水泳では、「息を吸える」ことが大きなポイントです。
特に息継ぎを楽に行えるようになることが、泳げるということでもあります。明らかに「水上で吸い、水中で吐く」という呼吸の明確化があるが故に、「吸えれば良い」という考えが支配的になり、呼吸とストローク技術との関係はなおざりになってきてしまったのかもしれません。水泳では、呼吸(吸気量)の量が直接浮力にも大きく関わりますから、他のスポーツ以上にその重要性について真剣に考えなくてはいけません。
基本的には、水泳中は口から吸って鼻から(一部口からも)吐きます[写真@]。背泳ぎやクロール、ターンなどで、鼻から水を吸って苦しい思いをした経験は誰にでもあります。単に苦しいだけでなく、水が耳への通路である“耳管”に入ると中耳炎になったり、平衡機能の失調を招くことがあります。
口から吸って鼻から(一部口からも)吐く正しい呼吸方法を身につけましょう。