人間のカラダは非常に耐久性の高いものです。人間が作り出した耐久消費財(工業製品)で70年とか80年も使えるようなものはお目にかかれません。その意味で、カラダは非常に耐久性が高いと言えます。体内で新陳代謝による再生が行なわれるからに他なりません。そうはいっても、20〜30年を経過すると組織の再生スピードが破壊スピードに追いつかなくなります。徐々に老化が進む所以です。
ヒトの老化の進度を図る指標としては幾つかのものが考えられます。その中でも血管は、他の組織臓器に先だって老化が始まります。“動脈硬化”です。医師の診断として動脈硬化と言われるか否かという問題ではなく、加齢とともに多かれ少なかれ動脈の弾力性が低下し、血管壁が肥厚し、硬くなることが一般的に認められます。弾力性のあるゴムも長期間の使用によって硬化しひび割れ、ちょっとしたストレスで切れてしまうことを私達は知っています。それと同じような状況が血管においてもいえます。ちょっとした切っ掛けで血管壁に通常以上の圧力が加わると破れ易くなります。脳血管系の障害として、「脳梗塞」「脳内出血」などは、良く耳にします。高血圧や高脂血症、糖尿病等のいわゆる生活習慣病の患者は、このような血管系のリスクが高いことが知られています。このことからも分かるように、血管の老化を最少限に抑えることが、「健康に長生きする」ための大切な要因です。

朝早くから多くの方が、散歩をしています。ご夫婦だったり、仲間と連れだったり、犬やトラを連れていたり、一人だったり。老化の下支えとしての散歩は最も一般的でポピュラーなスポーツです。ゆっくりと比較的長い時間をかける散歩。散歩中に心拍数が大きく上がることがありませんから長い時間休まずに続けられます。