運動は、筋肉の収縮と伸展との繰り返しです。運動後の筋肉は縮んだ状態にあります。運動を繰り返し行うと筋肉は縮んだ状態で慢性化します。この状態をトーヌス(収縮残遺)といい、運動会の綱引きをやった後に手が開かない状態と同じです。トーヌスを放置するとカラダ(筋肉)の柔軟性が失われ、骨盤や背骨のゆがみを引き起こし、腰痛や四十肩などの原因ともなり得ます。どんなに高性能なスポーツカーでも、メンテナンスをしっかりとやらないと性能は充分に発揮できません。ヒトのカラダも同じです。
日々のカラダのメンテナンスとして最もポピュラーなものがストレッチです。ストレッチ(stretch)とは、「伸ばす」という意味で、目的によって様々な方法がありますが、一般
的な「静的ストレッチ」のルールを紹介します。
《伸ばす筋肉に意識を集中する》 筋肉と脳(中枢神経)とは知覚神経と運動神経とでつながっています。伸ばしている筋肉に意識を集中させることで筋肉と神経とのつながりが良くなります。
《息を吐きながら筋肉を伸ばす》 呼吸を止めると筋肉は緊張し、血流は滞ります。息を吐きながら伸ばすことによって筋肉は弛緩し、血流が増加します。
《痛みを感じる手前で止める》《反動をつけない》 筋肉をリラックスさせる為のストレッチですから反動をつけたり、痛みを感じるまで伸ばしてはいけません。無理をすると伸展反射がおきて、逆に筋肉は緊張し毛細血管や筋の断裂の危険もあります。
《その状態で15〜30秒間続ける》 30秒程度伸ばし続けると十分なストレッチ効果
がありますが、無理はしないようにしましょう[写真1]。