は じ め に
 『健康』のための運動とはいっても、漠然とした『健康』というだけでは、必ずしも長期にわたって継続することは容易ではありません。「やせるため」とか「キレイに泳げるように」とか「腰痛の予防」といったハッキリとした目的も必要でしょう。そんな目的に適うように、各章毎にテーマ設定をしています。


第7章 トレーニング
7-5 運動強度1 有酸素的運動


 イージースイムといわれるものでゆっくりと長い距離を泳ぐような練習です。30分とか1時間持続可能なスピードです。  筋収縮のための直接的な唯一のエネルギー基質であるATP(アデノシン三燐酸)の再合成はもっぱら有酸素的に行われ、乳酸の発生はありません。

〔例〕 1500m×1回
     50m×40回 1分サイクル
     ●心拍数目安⇒最高心拍数×55〜65%

※泳ぐスピードが速くなれば無酸素解糖系によるATPの再合成もかかわってきます。純粋な有酸素的運動であればかなりゆっくりとしたスピードです。鍛錬された運動選手にあっては、それによる持久力維持効果 はあっても向上効果は期待できません。


7-6 運動強度2 ATレベル運動(ATトレーニング+LTトレーニング)

  水泳のトレーニングで最も頻繁に行われる強度です。筋収縮のための直接的な唯一のエネルギー基質であるATP(アデノシン三燐酸)の再合成は、有酸素的に行われますが、運動強度が高いぶん無酸素解糖系による再合成もかかわってきますから乳酸発生が始まります。多くのインターバルトレーニングなどはこのATレベルの負荷を狙って行われます。

〔例〕ATトレーニング            25m×40回 30秒サイクル
50m×20回 1分30秒サイクル
100m×10回 2分30秒サイクル

〔例〕LTトレーニング
25m×30回 30秒サイクル
50m×16回 2分サイクル
100m×8回 3分サイクル

●心拍数目安⇒最高心拍数×80%
※50mのベストタイムが30秒前後として設定しています。


7-7 運動強度3 無酸素的運動(解糖系)


 100mから400mのレースにような、1〜3分程度の最大努力で行われる運動でのATPの再合成は、これに大きく依存します。  酸素の供給が必要量に追いつかず、酸素の借金(酸素負債)をしながらの無酸素的な運動です。運動後もしばらくは心拍数の高い状態が続き、酸素の借金返済を行います。  筋収縮のための直接的な唯一のエネルギー基質であるATP(アデノシン三燐酸)の再合成のために筋肉内や血中の糖質(炭水化物)が使われます。糖質分解の過程で、乳酸が発生します。乳酸は、筋疲労を引き起こし、一定以上に筋肉内に蓄積されると筋はもはや収縮できなくなってしまいます。

〔例〕 200m×3回 10分サイクル
    100m×6回 5分サイクル
●心拍数目安⇒最高心拍数×90%以上


7-8 運動強度4 スプリント運動


 100mから400mのレースにような、1〜3分程度の最大努力で行われる運動でのATPの再合成は、これに大きく依存します。  酸素の供給が必要量に追いつかず、酸素の借金(酸素負債)をしながらの無酸素的な運動です。運動後もしばらくは心拍数の高い状態が続き、酸素の借金返済を行います。  筋収縮のための直接的な唯一のエネルギー基質であるATP(アデノシン三燐酸)の再合成のために筋肉内や血中の糖質(炭水化物)が使われます。糖質分解の過程で、乳酸が発生します。乳酸は、筋疲労を引き起こし、一定以上に筋肉内に蓄積されると筋はもはや収縮できなくなってしまいます。

〔例〕 200m×3回 10分サイクル
    100m×6回 5分サイクル
●心拍数目安⇒最高心拍数×90%以上


・・・以前の健康講座を読む・・・
2001年9月10月11月12月
2002年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2003年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2004年1月2月
3 4 5 67月 8月