は じ め に
 『健康』のための運動とはいっても、漠然とした『健康』というだけでは、必ずしも長期にわたって継続することは容易ではありません。「やせるため」とか「キレイに泳げるように」とか「腰痛の予防」といったハッキリとした目的も必要でしょう。そんな目的に適うように、各章毎にテーマ設定をしています。


第5章 ドリル
●クロール(5) 360度回転スクリュースイム
(実施方法)
1)クロ−ルと背泳ぎを1ストローク毎、体を180°ローリングさせながら泳ぐ。

(メリット)
1)ローリングと腕の動きのタイミング習得。
2)体の軸ぶれの矯正。
3)体の厚みから大きくはみださないキック幅の習得。
4)内外の腹斜筋、腹直筋、背筋、臀筋と腿の筋肉との協応性を高める。

(デメリット)
1)目が回り易い。

(実施上の注意点)
1)回転を伴うので、手の入水が内側に入りやすくなる。
2)キックの幅は、胴体の厚みから大きくはみださないように連続的に動かす。
3)回転中、上向きのときも下向きのときも腰の位置が上下しない。
4)一方向のみ回転すると目が回るので、3〜4回毎、回転方向を変える。

 


●クロール(6) 片手クロール1
(実施方法)
1)片手クロールで泳ぎ、もう一方の腕は前方に伸ばす。プルだけ、又はスイムで行う。

(メリット)
1)片手ずつ行うことにより、水の重たさを手の平に感じ、ストローク長(DPS)を伸ばす。
2)ストローク加速の要領習得。
3)呼吸動作習得。
4)プルとキックのタイミング習得。

(デメリット)
1)ブラインド側にローリングできないのでキャッチポイントが浅くなる。

写真(1)

(実施上の注意点)
1)最も一般的なクロールのドリル練習。
2)エントリーからプレス後、肘の位置を高く保ちキャッチする。[写真(1)]
3)かき始めはゆっくりと行い、ローリングにあわせて加速し、腿まで一気にかききる。
4)前方に伸ばしている腕に頭を預けるように呼吸する。
5)吸気時の目線は後ろを向かないよう気をつける(コースロープを見る)。
6)右手のフィニッシュ時に右足、左手のフィニッシュ時に左足をけりおろす。
7)全体に動かす腕の側にカラダを傾けた(ローリングした)ままで泳ぐ(ひとかき毎、カラダを正中線に戻す必要はない)。

 


●クロール(7) 片手クロール2
(実施方法)
1)片手クロールで泳ぎ、もう一方の手は体側に添える。
2)プルだけ、又はスイムで行う。

(メリット)
1)(6)の片手クロールに準じる。
2)ローリングが大きくなるので、躯幹筋(胴体の筋肉)をダイナミックに使った深いキャッチを身に付ける。
3)前傾姿勢のとれた呼吸動作を身に付ける。

(デメリット)
1)呼吸時に体が沈み過ぎる。

(実施上の注意点)
1)エントリーからプレス後、肘の位置を高く保ちキャッチする。
2)かき始めはゆっくりと行い、ローリングにあわせて加速し、腿まで一気にかききる。
3)吸気時の目線は後ろを向かないよう気をつける。
4)右手のフィニッシュ時に右足、左手のフィニッシュ時に左足をけりおろす。
5)吸気後、カラダが沈み過ぎないように気をつける。

 


●クロール(8) 片手クロール3
(実施方法)
1)片手クロールで泳ぎ、もう一方の腕は体側に添える。
2)呼吸はブラインド側に向けて行う。
3)プルだけ、又はスイムで行うが、プルだけで行うには、高い泳力が必要。

(メリット)
1)呼吸とブラインド側のプル動作のタイミングを身に付ける。
2)ブラインド側のプルの効率を高める。
3)ブラインド側の適当なローリングの大きさやタイミングを身に付ける。
4)腕の入水の方向(角度)を身につける。

(デメリット)
1)リカバリー時に体が沈み易い。
2)ローリングにあわせたプルの加速をし辛い。

(実施上の注意点)
1)腕の入水角度は、水面に対してより鋭角的にし、入水角度に腕の運動の方向(ベクトル)一致させる。
2)プルの加速を意識する。
3)吸気時には、入水した腕に頭を預けるようにする。
4)腕の入水と呼吸のための顔上げを同時に行う(顔上げが遅れない)。

 


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